2023年4月30日~5月2日、カナダ・モントリオールにてLicensing Executives Society International (LESI) が主催する世界会議が開催されました。そこで、当社CEO・山口泰範が“Introduction of New IP Business Models in Drug Discovery”を議題とする主たるプレナリーセッションのパネリストとして参加しました。
LESIは1972年に設立され、世界90カ国から集まった33の協会を通じて約6,500人の知的財産(IP)を利用するビジネスリーダーや専門家で構成されるグローバル組織であり、世界各地でIPをビジネス資産として効果的に管理・活用することや訴訟など係争を把握することを目的としたネットワークづくり、教育、議論やパブリックコメントを行っています。毎年開催されるLESI Annual Conferenceは、このような議論を増幅させ、様々な経歴を持つエクゼクティブが集まり、IPビジネスをサポートしグローバルな関係を構築する機会を提供しています。(LESI ホームページ参照https://lesi2023.org/)
パネルディスカッションにおいて提示された当社の事業内容への質問とその回答は以下の通りです。
Q1.IPガイアのビジネスモデルと、新薬のIPの取得と商業化をどのように目指しているのかについて教えてください。またIPガイアは、どのようにして有望な研究プログラムや開発・製薬企業へのライセンス対象となる医薬品候補を特定しているのでしょうか?
A1. 初期の創薬シーズを磨いて、臨床開発候補物質、データ、関連するIPを取得して、非臨床段階で製薬企業等に導出するビジネスモデルです。当社には、2つの特徴があり、1つは製薬企業で戦略的理由により中断されたプロジェクトおよびアカデミア由来の画期的な創薬シーズを取込むそれぞれの仕組みを構築していること、もう一つは、ユニークなIPGメンバーシップ制を設け、顧客である導出先候補の製薬企業等を会員として、顧客ニーズを把握することで、研究プログラムや創薬シーズの選択に生かし、研究プログラム実施においても会員とのコミュニケーションを密にして顧客満足度の高い成果物の取得が可能であることです。以上2つの特徴を活かし、導出の成功確率を高めることを目指していきます。
Q2.IPガイアは、学術機関や研究者とどのように連携し、知的財産のライセンスや商業化を進めているのですか?
A2. 当社はアカデミアとユニークな基本契約を締結して創薬シーズの取込み、連携、商業化をカバーするフレームワークを規定しています。その基本契約の傘の下に、各共同研究プログラムの特性を踏まえた、個別の共同研究契約を策定します。
Q3.知的財産と医薬品へのアクセスに関する昨今の考え方(手頃な価格、公平性、公衆衛生に関する議論を含む)と事業目的のバランスをどのようにとっていますか?
A3. IPガイアのビジネスモデルが成功することにより、製薬業界における探索から非臨床研究の水平分業化が促進され、研究開発の効率化に大きなインパクトを与えると考えております。結果的には、IPガイア が推進するエコシステムは、医療費削減という社会貢献に資する制度になり、そしてその結果、患者さんの医療へのアクセスが拡大し、究極的には健康寿命の伸長に貢献することになります。当社は非臨床段階の営利事業を実施していますが、連鎖的にそのような社会貢献とのバランスに繋がると考えています。
今回LESI Annual Conferenceのパネルディスカッションでの質疑応答を通してIPガイアのユニークなビジネスモデルとその意義を示す機会となりました。
当社は引き続き、創薬プラットフォーマーとして新たな創薬エコシステムを造り上げ、社会的課題の解決に貢献する事業を推進してまいります。
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